スパルタな彼
すっかり、秋めいてきたね。
エアコンを入れない夜も増えたよ。
夜の涼しい風に当たると、彼との夜のお散歩を思い出す。懐かしいなんて感情ではなくて、ただただ悲しい。寂しい。
彼もこの風を感じているだろうか。
彼に会いに行って、白い箱に入ってしまった彼を思いっきり抱きしめる。
同じ部屋にお父さん、居たけど、何も言わない。
お父さんが居てくれたから、号泣しなくて済んだ。
お仏壇の後ろの、部屋の隅っこで、しゃがんで彼を抱きしめる。
お母さんは、いつも、私が見えずに、探す。
そして、見つけて毎回驚く。 笑。
何で時は戻らないのかな?
何で彼は帰って来れないのかな?
死んだ人が生き返ったっていいじゃない。
火葬しちゃったら手遅れかな。
その前だったら、奇跡は起きたかな。
無理か。
ダメなんだ。
どこからも、戻れないのか。
私な、いつになったら、こういう事考えなくてなるんだろ。
お母さんにも、出来るだけ明るい話をする。
お母さんは、一瞬の私の表情を見逃さない。
すかさず「 考えても仕方ない事は考えない!」 と言われる。
そう。仕方のない事なんだね。
心から愛していたから、つらくて、悲しくて苦しくて当たり前。
彼を想うから、彼の気持ちを想うとやり切れないのも、当たり前。
それを全部丸ごと受け止めるよ。
愛しているから。
幸せだから。
幸せにしてもらったから。
…
だけどさ。グッと堪えて明るく元気に!って… 続かない…朝から晩まで、一人の時も。なんて続かない。
一人になった瞬間から涙が出ちゃうよ。
目覚めの瞬間から、泣いちゃう日もあるよ。
ため息と一緒に、心の中の辛さを言葉や文字にしてもいいかな?
ダメなのか??
どうして、夢にも現れてくれないかな?
甘ったれな私に、スパルタは前からだけど…
ダメ!の合図??
忙しいとか?
はぁ。
わかんなーい。