想う
今回の台風。
台風だけではないけど、彼を喪う前の私とは、感じる事も、考える事も、違う。
テレビ、ラジオ、スマホから、「警戒!警戒!警戒!」「避難!避難!避難!」と、聴こえてきた。
「命を守ることを最優先に!」
…
このまま彼のところに行けるだろうか?
頭をよぎる。
経験したことのない状況。
見たことのない光景。
怖い。やっぱり怖い。
死ぬのが?
死ぬまでの時間が?
彼はもっと怖かったんだ。
彼はもっと…
なのに…
私は臆病だね。
こんな経験、彼はしなくて良かった。
…
この経験してもいいから、生きていたかったに決まっている。
彼がどんな経験をしようとも生きていて欲しかった。
ニュースで流れる被害。
涙が流れる。
きっとみんないい人達なんだろうな。
誰からも愛されるような…
誰かを愛していたのだろうな…
残される者。
言葉が無い。
彼を喪う前は、こんな風に
覚醒するようには考えていなかったな。
変わった。
変わっただけ。
被害を受けた方達が、一日も早く
穏やかになれますように…