トラック運転手
トラックが電車と衝突するという、凄惨な事故。
それについて、どうのこうの言う知識も経験もないが…
テレビのMCなる人が
「トラックの運転手が一人亡くなっていますが、他に亡くなった方も居なく、奇跡と言えますね 」
「もちろん、悪いのはトラックの運転手に決まっている!のですが…」
と、発言していた。
私は、最愛の彼をトラックの運転手に奪われてから、交通事故や事件で、命を奪わらた方に、以前より、強く想いを馳せる、ようになった。
愛おしく想う事さえ、ある。
彼の命を奪った、トラック運転手、加害者を
許せるものではない。
何一つ悪くない、彼の、尊いなんてもんじゃない命を奪った、その運転手は、事故を起こしただけではなく、故意に逃げた。彼を巻き込みながら。事件にまでしたのだ。
大きな、許し難い罪を犯したのだ。
そして、反省と思えるような事は、まるで伝わって来なかった。
もちろん許せない。
死ねばいいとも思っている。
その運転手に彼が味わった痛み、苦しみ、恐怖、それ以上の思いをさせてやりたい、すればいいのに。とも思っている。
しかし、私の脳は その事を考えない。
聞かれれば、許せない。と思うし、そう、答えるだろう。でも、日常、まるで考えないのである。
彼の命を奪った、その運転手を憎むとか、恨むという感情を普段持ち合わせていない。
何故かは、自分でもわからない。
あの日以来、トラックには恐怖を感じる。
見たくもない、まあ、見ないわけにもいかないが、近くを通ると足が震える感覚になる。
トラックが嫌いだ。トラックの運転手も嫌いだ。ある日、信号待ちをしていたら、大きなトラックが、交差点を曲がろうとしていた、そのトラックの運転手は、慎重に慎重に、歩行者が周りに居ないかと、時間をかけて様子を伺っているのがわかった。
こんな運転手もいるんだ…。と思った。
あの時の運転手が、こんな運転手だったら…と、悔しかった。
そして、今回の事故。
どんな風に事故が起きたかは、専門家がこれから検証し、究明して行くのだろうが、何度も何度もハンドルを切り替えし、鉄道関係者に誘導を依頼し…
どんな気持ちだったのだろう…
怪我をされた方も大勢いて、その方達はどれだけの恐怖と痛みを味わうことになったのだろう。後遺症など大丈夫だろうか。 電車の運行にも支障をきたしてしまった。もしかしたら、愛する人が生死を彷徨い、駆けつける手段に電車しか、無かったという人も居るのではないか、この電車に乗れなかった事が、その人の人生を変えてしまう事もあるのでは、ないだろうか…
それくらいのことが、起きてしまった。起こしてしまった。そうかも知れない。
そうなのだろうと思う。
でもね
デレビでの発言を聞いて…
人一人の命が奪われた、亡くなってしまったことには変わりなく…
どんな風に、どんな思いだったのかも、わからないのに、
それさえも、 亡くなった人は伝えられないのにどうしてそんな簡単に…
私には…
そんな簡単に言えない。