お迎え

私が死んだら、彼に迎えに来て欲しい。

絶対。

彼以外は考えられない。

家族や友人ではイヤだ。

彼に真っ先に、両手を広げて来て欲しい。

そしたら、安心していける。

私には彼がいる。

けど…

彼の迎えは誰が来たのだろう。

…

ずっと気になっていた。

…

彼はご両親、健在。

身近に亡くなった人は居ない。

祖父母は他界しているけど

彼は会った記憶も無いだろう。

産まれて間もない頃には

父方の祖父は近くに住んで居たそうだ。

彼が１歳くらいの時に引っ越してそれきりになったとお母さんが話してくれた。

それきり、会ったことは無いと。

動物を飼っていたことも一度だけ。

唯一、タマ。

まさかの、カメ。笑

彼が名付け親だったかな？

あ！もらって来て

名前付いていたんだ。

私な写真でしか見たことがなくて

残念。。。

育て方が悪かったらしくて

死んじゃったらしい。

彼に可愛がってもらっているタマが羨ましくて

「タマになりたーい！」

って言ったことがあったね。

彼、何て言ってたかな。

いつものように

気の利いたこと言ってくれてたよね。

死んじゃった時

一緒にお墓作ってあげようと思ったら

彼が一人で、事を運んじゃったんだよね。

タマが迎えに来てくれたのかな…

お母さんが

彼にわかるようにと、おばあちゃんの写真を

彼の棺に入れたらしいけど…

棺。

なんだそれ

おばあちゃんが来てくれたのかな？

おばあちゃんの写真って…

父方の？

多分。

一人じゃないよね？

ずっと気になっていたんだよ。

心配してたんだよ。

寂しくなかったかな。

今も寂しくないかな。

夢にも現れてくれなくても

我慢しているんだよ？

きっと楽しくやってて

忙しいのかや。って…

大丈夫？