不公平
今年の2月 伯母が亡くなった。
喘息の発作で突然だった。
彼が居なくなって一年も経っていないから、色々なことが
重なって、蘇ってくるのではないか…と不安だったが、お世話になった伯母なので訃報を聞いてすぐに駆けつけた。
伯母のご主人、(私の伯父にあたるが) わんわん声をあげて泣いていた。長年連れ添った夫婦だもの。辛いよね。
さっきまで元気に庭の手入れをしていたそうだ。それが、数時間後にはもうお別れなんて。
伯父は「まだ、話さないといけないことがたくさんあったのに…まだ、何にも話せていないのに…どうして置いて行くんだ」と声にならない声で伯母に泣きすがっていた。
何年も連れ添ったのに…?何も話せていない?
もっと話すことがある??色々話せたんじゃないの?…私と同じような感情ってこと?
そうなんだね。そういうことなんだね。
愛する人を喪う。それは、年齢も一緒にいた年数も、関係ないんだろうな。
伯母が教えてくれた。
伯父は、葬儀の後
おちゃらけて、こうも話してくれた。
「俺を看取ってもらおうと、自分より、若い人を選んだのになー」
どうして、神様は人選のみならず、順番も守らないんだろう。
やっぱり居ないんだろうな。
私と彼のことはもちろん誰も知らない。
向こうへ行く伯母に「実は私の彼がそっちに居るの。よろしくお願いします」と伝えた。
愛する人との突然の別れは辛い。
突然じゃなくても、愛する人との別れは辛い。
ご近所に50代くらいの、ご夫婦が暮らしている。とても仲が良さそうだ。ご主人は癌の末期で、長くないそうだ。
最近、毎日同じ時間にお経が聞こえる。ご主人が唱えている。時折、ご夫婦で外出するのを見かける。とても綺麗な奥様だ。笑顔で挨拶を交わすが笑顔の裏にどれだけのものを背負っているのか…
どんな想いで日々を過ごしていることだろう。
同じ経験はしていないが、最愛の彼を喪って近しい気持ちでは、あるのだと思う。
人生100年時代と言われるが
100年生きてくれたら、想いも違うんじゃないかなー。
やっぱり不公平。みんな100年生きさせてよ!せめて平均寿命までてもいいからさ。それがダメなら、年の順。それくらいしてくれたっていいじゃない!